「日常を彩るパン作り」
サンサリテのパン作りは夜が明ける前から始まります。
「材料は、小麦粉・水・塩・イーストたったそれだけです。だからこそ、小麦の
味がちゃんとわかるし、かといって料理の味を邪魔しないパンができるんです。」
そう言うのは、ハード系のパンだけを頑なに作り続ける代表の渡辺さん。
しかし、ハード系のパン作りにこだわるのには、それ以外にも理由があるといいます。
「小さな頃、夕食の食卓にシチューなんかが出てくると、必ずフランスパンが添えて
あって、それがちょっとした贅沢感を演出してくれて、家族が集まりたくなるんです
よね。僕は、究極のところパン作りというよりも、そうやって家族が集まる場所を
作りたいと思っているんです」
人が繋がるパン。日常を彩るパン。それがサンサリテのベースにあります。
「魔法のパン」
かまやの為に焼いて頂いたパンは、完成までに相当な困難を極めたということです。
「ベースになっているのはカンパーニュと呼ばれる田舎風味の素朴なパンなのですが、
それをサンドウィッチに適した大きさ、薄さ、食感などに気を配りながら作りました。
単に大きさを変えれば良いというものではなく、粉の配合や水の量など、幾多の失敗
を重ねながら、答えを探し続けました」
サクッとした外側の食感とモチッとした内側の食感、食べた後には満足感が残るが重
過ぎない…など感覚的なイメージを念頭に設計図を描いては実験し、遂に完成にたど
り着いたのです。
「答えは一つではないものの、粉の配合が一番の決め手でした。メーカーが提案する
様々な粉を試してみましたが、全然ダメでした。最終的にはオリジナルブレンドでや
るしかないとの結論に達し、国産とカナダ産の上質の小麦粉をブレンドしてようやく
完成しました」
できあがったパンでサンドウィッチを作ると、その食感がアクセントとなり、具材と
の調和を図りながらも、他にはない個性や魅力を感じさせます。
かまやのパンは、ありそうでなかった究極のクラシックパン。
それは、まるで魔法のようなパンなのです。